SPECIAL 950910

神戸市北消防団長尾支団 


1995/09/10 長尾支団 水利確保特別訓練

報告/北消防署道場出張所1係 司令補 居内徳人


 長かった猛暑もやっとおとろえを見せはじめた9月10日、長尾支団では下上津地区において、ほ場整備事業で田畑に設置されているパイプライン式の水取口より吸水し、放水する訓練を実施しました。

 現在、長尾町には上水道の普及と共に公設の消火栓がかなり設置され、防火水槽も設けておりますが充分とはいえません。いざという時に水の不足する地域が多数存在しているのが現状です。それを補うのが溜池などですが、大規模な造成、高速道路の建設などから減少の傾向にあります。これではいざという時に「水が無い」という最悪の状態を招きかねません。

 そこで、前記しました訓練を行なうことにより、火災時に有効な水利として使用できるのではということでいろいろな実験を試みました。

 実験の方法と結果は下記に示すとおりですが、課題として、

1.地域によって常時流水地区と冬期には元池で止水している地区があり、調べておく必要がある。

2.便用する場合は緊急時といえども農作物に注意し、出来るだけ踏み荒らすことのないようにする事が必要です。

 本訓練を実施したことにより良好な結果が得られ、水利不足をある程度カバー出来ることになりましたが、これで完全とはいえません。大切なことは火災を出さないことであり、この器具を一度も使うことのないよう願うものです。
 そのためには皆様方の火災予防に対する認識を新たにしていただき、災害のない町にするために、一人ひとりの注意が肝要であると思います。

 最後になりましたが、本訓練を実施するにあたり、田畑の使用を許可していただき、ご協カをいただいた方に厚く御礼申し上げます。

(平成7年9月 第一分団広報「とんぼ」16号より転載)

 

農業用水パイプラインを水利とする実験と考察

実験1

ホウサクパルブ(クラゲ)上部の開閉パルブを開き槽内に水を入れ吸管1本を投入して吸い上げる。

【方法】

ホウサクバルブ上部の止水弁のバルブを開けると同時に吸管を投入し、5k圧で送水を行う。

【結果】

筒先圧カ4k圧で良好な送水圧力が得られた。(バルブを全開すれば水量があふれるため、調節の必要がある)

実験2

同上の方法で吸管2本を投入して吸い上げる。

【方法】

ホウサクパルブ上部の止水弁のバルブを開けると同時に吸管2本(ポンプ2台使用)を投入し、それぞれ5k圧で送水を行う。

【結果】

いずれも4k圧の筒先圧力があり、良好な放水圧力があった。(水量は充分あり、まだまだ余力がある。)

実験3

散水用バルブの吸水口に金具を取り付け、吸管を接続し、吸い上げる。

【方法】

散水用バルブの吸水口に媒介金具(40ミリメスー65ミリオス)を取付け、更に吸管金具(65ミリメスー75ミリメス)を接続して圧力5k圧で送水を行う。

【結果】

筒先圧力4k圧で放水し良好な圧力を得られる。

実験4

取水口2箇所を同時に使用して吸い上げる。

【方法】

本管200ミリ配管と100ミリ配管の2箇所を同時に使用した。

【結果】

実験1の結果が得られ、良好な送水圧力が得られた。

以上により適正に使用すれば有効な水利として利用可能である。なお、実験3の媒介金具を取付ける場合は取付ける配管が塩ビ配管のため、夜間緊急に使用するときは余程慎重に取扱わないと折損のおそれが充分に考えられるため、実験1、2により使用するのが良いと思われる。